遠野なぎこと飯島愛の孤独死と『金スマ』、海老名香葉子の訃報で思い出す元アイドルの悲劇 2025(令和7)年その1【連載:死の百年史1921-2020】番外編(宝泉薫)
連載:死の百年史1921-2020 【番外編】2025(令和7)年その1

2025年の死を振り返るうえで、衝撃的だったのが遠野なぎこ(享年45)の訃報だ。『痩せ姫 生きづらさの果てに』の著者としても、これをとりあげないわけにはいかない。まずは彼女の話から始めることにする。
遠野の死が公表されたのは7月17日。彼女のブログに「親族一同」名義で投稿された「訃報のお知らせ」という記事によるものだ。自宅で身元不明の遺体が発見されてから二週間が経過しており、さまざまな憶測が飛び交うなか、そこにはこんな説明がされていた。
「故人の名誉のため、死因についてもご説明申し上げます。 現在、警察の見解によりますと、事故によるものであり、自死ではございません。 故人は、生前も大切な愛猫のために日々懸命に生きておりました。どうか、皆さまにおかれましても、その想いをご理解いただけますと幸いです。 また、多くの方よりご心配の声を頂戴しておりますが、故人が生前大切にしておりました愛猫は無事に保護され、現在は安心できる環境で元気に過ごしております。 どうぞご安心ください」
長年、摂食障害などで心身の不調を抱えていただけに、健康な人よりは死に近いところで生きていたともいえる。何があってもおかしくないことは本人もわかっていて、18年の7月にはブログにこんな文章も書いていた。
「“摂食障害”と闘っている皆様、この時期は特に体力を奪われお辛いお気持ちになられる事と思います。摂食障害患者は、“熱中症対策”や“風邪対策”をする事が非常に難しいからです。自分自身もそうですが、少しでも改善していたり回復中の方は先程お話したように“栄養 水分 塩分”をしっかりと摂って基本的には通常の生活が出来ます。ただ、“拒食”や“過食嘔吐”の真っ只中にいらっしゃる方々は頭では強く理解していても…“敵”である食べ物と“その時だけ”仲良くする事が出来ないのです」
ちなみに、彼女は二冊の本で自分の過去を振り返っている。『一度も愛してくれなかった母へ、一度も愛せなかった男たちへ』(13年)と『摂食障害。食べて、吐いて、死にたくて。』(14年)だ。これらを読めば、幼少期からの母親との歪んだ関係や、それによって生じてしまった愛情不安といったものが、心身の不調、三度の離婚などにつながったであろうことが見えてくる。
ただ、彼女はある意味そこを肥やしにして、女優やタレントとして活躍してきた。女優としては、NHKの朝ドラ『すずらん』でヒロインを務めあげたし、タレントとしては自分についても他人についても赤裸々な本音を発信。それが似た境遇の女性たちに共感をもたらした。遠野のインスタグラムには、今もそんなファンたちからコメントが寄せられている。
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